血液は赤血球、白血球、血小板などの血球成分と血漿といわれる液体成分に分けられます。

液体成分中に90%の水分以外に 糖質、蛋白質、脂質、ビタミンなどが溶け込んでおり血液の検査で出る数値が高い・低い・正常などと問題にされます。

糖質の役割
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糖質は1gあたり4kcalのエネルギー源でありまた核酸や細胞膜の成分となったりします。

炭水化物(でんぷん等)やショ糖、乳糖等は糖質として食物から摂取されます。唾液中の分解酵素また小腸で分解酵素(アミラーゼ、マルターゼ、ラクトースなど)の働きでグルコース(血液中で血糖といわれる)などにまで消化・分解され小腸の粘膜壁の細胞から体内に吸収されます。

そして血管に入りエネルギー(ガソリン)として脳などいろいろな臓器で使われ、余りは肝臓や筋肉などにグリコーゲン(多糖類)や中性脂肪となり保存用のエネルギー源としてまたクッション役として皮下脂肪となり貯蔵されます。

エネルギーとしての血糖は食後でも血中に高血糖状態にならないよう100mg程度に保つようにホルモンが体から分泌されます。

増えた血糖(食物から取り込まれた)を下げるホルモンがインスリンであり、空腹時下がってきた血糖を上げる(貯蔵したグリコーゲンなどから糖を作る)ホルモンにはグルカゴンやコーチゾンなどがあります。
全身にエネルギー(ガソリン)としての血糖を過不足なく送るため、これらのホルモンの働きで血中の血糖を100から130mgの巾に保っているのです。

血糖を下げるホルモンであるインスリンが足らなくなり高血糖をきたすと糖尿病となります。インスリンが多すぎると低血糖となり昏睡になってしまうこともあります。


蛋白質の役割

蛋白質は体の構成成分の主な物で、胃・腸でアミノ酸まで消化分解され吸収され体内に取り込まれ、肝臓などで必要なかたちの蛋白質に再び合成され酵素やホルモンや細胞などになります。

体内では新陳代謝として古い蛋白質が壊され新しい物と入れ替わるため、分解とそれをおぎなうために合成をバランスよく行って一定量に保っています。

体の構成成分としてばかりでなくエネルギー源として分解され使われたり、血液(総蛋白、アルブミン、グロブリンとして)やリンパ液など体液に混ざり濃度を調整することでナトリュウム、カリウム、塩素などの電解質とともに体の環境を一定に保つ重要な働きがあります。

動植物が空気の中で生きているように、細胞は蛋白質や電解質で濃度が調整された水溶液に浸かって物質代謝をして生活しているのです。

脂質の役割

脂肪は1gあたり9 kcalのエネルギーをもち、1gあたり4 kcalの糖質や蛋白質の倍のエネルギー源でもあります。血液の液体成分(血漿)の中に脂質が溶け込んでいます。これはコレステロール・中性脂肪・リン脂質・遊離脂肪酸に分けられます。

コレステロールは血液中ばかりでなく脳、筋肉、肝臓などの臓器の細胞膜の骨格でありホルモンや消化酵素の原料であり全身にあります。食物として取り込むコレステロールと体内で合成されるコレステロールがあり、血液内に一定量になるよう調節されています。

この調節がうまくいかなくなり、血液中のコレレステロールが220mg/dl以上になると高脂血症(高コレステロール血症)という病気と診断されます。

また中性脂肪という脂質が150mg/dl 以上に増えても高脂血症といわれます。

高脂血症になると動脈硬化が心配されます。

水である血液の中を水に溶けないはずの あぶら(脂質)であるコレステロールや中性脂肪を水分と混ぜ・流すために、”タンパクの膜”で覆い、水となじむようにしているのです。この袋を”リポたんぱく”といいます。

これにコレステロールをつつんでいるもの、中性脂肪をつつんでいるもの、リン脂質をつつんでいるものなどで4つのタイプに分けられます。 これらのなかによくお聞きになる善玉のコレステロール(HDL)・悪玉のコレステロール(LDL)といわれるものがあります。

いろいろな臓器で細胞壁になったりホルモンを作ったり消化酵素をつくったりする原料として、血管の中をリポたんぱくの袋につめた脂質を流し必要としている臓器へ送るのです。その中のHDLは動脈壁から余ったコレステロールを運び出すよう働きますが、LDLは臓器に脂質を運んで余ったコレステロールを動脈壁に置いてきて動脈硬化を促進するのです。

体内のコレステロールは全部で150gほどあり、一日に新陳代謝で1.5gほど失われます。

それを補うため1gは体内で合成され0.5gは食事から取り込んでいます。よって過剰に合成される病態では薬が必要で、食べ過ぎの場合には食事制限が必要になるのです。

中性脂肪もリポたんぱくの袋に入れられ血液の中を流れています。コレステロールと同じように体内で合成されるものと食物から取り込まれるものがあります。
主に肝臓で炭水化物(穀物や糖質)やタンパク質などを原料に合成されます。

エネルギー源としてまたクッション役として皮下脂肪や内臓脂肪に蓄えられます。

中性脂肪が過剰になると善玉のコレステロールを減らしたりして血管壁に脂質を沈着させて動脈の壁を硬くし血管内側の表面の内皮細胞を壊し血液を固まらせて血管をふさいでしまう、かさぶたの様な血のかたまり(血栓)を作ります。

これが脳、心臓、肺など重要な臓器の血管を詰まらせ臓器の細胞を破壊して梗塞という病気をおこします。

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